カスタマージャーニーとは?4つのステージやマップの作成手順を解説!

カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品やサービスに出会ってから購入・利用に至るまでの流れを可視化するために欠かせないものです。
この記事では、カスタマージャーニーの基本から4つのステージ、マップの作成手順について解説します。
マーケティングやWeb改善の第一歩として、ぜひカスタマージャーニーマップを作成し、活用してみましょう。
カスタマージャーニーとは?定義や目的について解説
まずは、カスタマージャーニーの定義や目的について以下のとおり解説します。
- カスタマージャーニーとは何か
- カスタマージャーニーの主な目的
- カスタマージャーニーマップを作るメリット
それぞれの内容をチェックし、カスタマージャーニーマップの重要性をチェックしましょう。
カスタマージャーニーとは何か
カスタマージャーニーとは、ユーザーが商品やサービスを知り、興味を持ち、購入や利用を経てファンになるまでの一連の体験の流れを指すものです。
この流れを時系列で可視化することで、「どのタイミングで」「どんな接点を持ち」「何を感じるのか」といったユーザーの行動や感情を整理できます。
特にWebやSNSなど多くの接点がある現代では、こうした情報を整理しておくことで、ユーザーとの関係性を深める上で欠かせない視点となります。
カスタマージャーニーの主な目的
カスタマージャーニーを描く目的は、ユーザーの目線に立ち、ニーズや心理的な動きを深く理解することです。
購入に至るまでに抱える疑問や不安、期待などを明らかにすることで、企業側は最適な情報や体験を適切なタイミングで提供できるようになります。
結果として、顧客満足度やロイヤルティの向上につながり、売上やリピート率を高める戦略を立てやすくなります。
カスタマージャーニーマップを作るメリット
カスタマージャーニーマップを作成するメリットは、顧客の視点で課題や改善点を把握しやすくなることです。
「どこで離脱しているか」「何に共感しているか」などを明確にすることで、効果的なマーケティング施策や導線設計が可能になります。
また、チーム内で顧客像に対する共通認識が生まれ、プロダクト改善やコンテンツ戦略にも具体性が加わるのが大きなメリットです。
カスタマージャーニーにおける4つのステージ
カスタマージャーニーには、以下4つのステージが存在します。
- 認知(Awareness)|商品やサービスの存在を知る段階
- 興味・関心(Interest)|価値を感じて詳しく調べる段階
- 比較・検討(Consideration)|他社と比較して購入を迷う段階
- 購入・体験(Action)|実際に購入し使用する段階
それぞれのステージにて行うべき施策や、覚えておくべきポイントを解説します。
認知(Awareness)|商品やサービスの存在を知る段階
認知の段階では、ユーザーはまだ商品やサービスの存在を知らない、または関心が浅い状態にあります。
主な施策としては、SNS広告やSEO、インフルエンサーやイベントなどを活用して、まず「見てもらう」ことが重要です。
認知の段階におけるゴールは、認知を広げることで次の関心フェーズへとつなげることなので、印象に残るビジュアルやキャッチコピーも効果的です。
興味・関心(Interest)|価値を感じて詳しく調べる段階
興味・関心の段階では、商品やサービスの存在を知ったユーザーが、より詳しい情報を自ら調べ始めます。
オウンドメディアの記事、LP、SNS投稿、レビューや導入事例など、信頼性や具体的なベネフィットを伝えるコンテンツを作成すると良いでしょう。
興味・関心のステージでは、「共感」や「納得感」が重要な要素になるので、分かりやすく丁寧な情報提供を心がけましょう。
比較・検討(Consideration)|他社と比較して購入を迷う段階
比較・検討の段階では、ユーザーが複数の選択肢を並べて、自分にとって最適な選択はどれかを見極めようとしています。
比較表やQ&Aコンテンツ、無料体験、ユーザーの声、サポート体制の紹介など、「他社より優れている点」を明確に伝えることが大切です。
判断材料を揃え、お客様の不安を払拭することで、購入意欲を後押しできます。
購入・体験(Action)|実際に購入し使用する段階
最終的な購入行動が行われる購入・体験の段階では、スムーズな購入導線や分かりやすい申込フォーム、決済方法の選択肢など、利便性を高める工夫が必要です。
購入後のフォローやサポートも重要で、体験が良好であればリピートやファン化にもつながります。
レビュー依頼や会員化の仕組みを取り入れることで、継続的な関係性の構築が可能になることを覚えておきましょう。
カスタマージャーニーマップの作成手順
カスタマージャーニーマップは、主に以下の手順に沿って作成します。
- 目的とターゲットを明確にする
- ペルソナを設定する
- カスタマージャーニーのステージを定義する
- 各ステージでの行動・感情・課題を洗い出す
- タッチポイントと提供価値を整理する
- マップとして視覚的に整理・共有する
- チームメンバーにマップを共有する
それぞれのステップにおいて、押さえておくべきポイントもチェックしましょう。
1.目的とターゲットを明確にする
まずは「なぜカスタマージャーニーを作るのか」を明確にしましょう。
新規獲得の強化、離脱率の改善、サービス体験の向上など、目的によって必要な情報や視点が変わります。
また、目的によって必要な情報や視点を合わせると同時に「誰の旅路を描くか」というターゲット像を定めることも重要です。
曖昧なまま作成を進めると、情報が散漫になるので注意しましょう。
2.ペルソナを設定する
次に、ターゲットに該当する典型的な顧客像(ペルソナ)を具体的に設定します。
年齢、性別、職業、価値観、行動特性などを具体化することで、よりリアルな顧客視点を持つことができます。
数字や行動データを根拠に、共感できるストーリー性を意識しましょう。
3.カスタマージャーニーのステージを定義する
ペルソナを設定したら、次はカスタマージャーニーのステージを定義しましょう。
「認知」「興味」「比較」「購入」など、顧客の行動を大きな流れでステージ分けします。
業種や目的によっては、5~6段階に細分化するケースもあります。
すべてのステージで一貫した視点を保つことが、マップの精度を高めるコツです。
4.各ステージでの行動・感情・課題を洗い出す
ペルソナを設定したら、次は各ステージでの行動・感情・課題を洗い出すステップです。
ユーザーが各ステージでどんな行動を取り、どんな感情を抱え、何に悩んでいるかを洗い出します。
たとえば「比較検討」の段階では、「どこで買えばお得?」「保証はあるのか?」といった不安や迷いが出てくることも。
具体的な言葉で表現することで、より実用的なマップになります。
5.タッチポイントと提供価値を整理する
各ステージでの行動・感情・課題を洗い出したら、次はタッチポイントと提供価値を整理しましょう。
各ステージで顧客と接触するチャネル(広告、店舗、メール、SNSなど)と、そこで提供すべき価値を明確にします。
タッチポイントと提供価値の整理により、どこで情報提供が足りないか、逆に過剰かが見えてくるのがポイントです。
適切な接点と訴求内容の設計が、顧客満足につながります。
6.マップとして視覚的に整理・共有する
タッチポイントと提供価値を整理したら、次は洗い出した内容を図や表にまとめ、誰が見ても分かりやすい形に可視化しましょう。
Excelやホワイトボード、専用ツールなど、チームで活用しやすいフォーマットを選ぶのがポイントです。
視覚化により全体の流れや課題の位置が把握しやすくなります。
7.チームメンバーにマップを共有する
マップの整理が完了したら、最後はチームメンバーにマップを共有しましょう。
作成したマップは関係者全員で共有し、共通認識を持つことが重要です。
マーケティング部門だけでなく、営業、開発、カスタマーサポートなど、各部門が顧客視点で連携できるようになります。
意見やフィードバックをもとに、定期的にマップをアップデートする運用も忘れずに行いましょう。
カスタマージャーニーマップを作成するうえでの注意点
カスタマージャーニーマップを作成するときは、以下4つのポイントに注意しましょう。
- 希望や憶測だけで作らず根拠となる数字を重視する
- ビジネスの目的と一貫性のあるマップを作る
- 定期的な見直し・最適化を行う
それぞれのポイントに目を通し、カスタマージャーニーマップを作るうえでの参考知識として頭に入れておきましょう。
希望や憶測だけで作らず根拠となる数字を重視する
カスタマージャーニーマップを作成するときは、希望や憶測だけで作らず、根拠となる数字を重視しましょう。
「きっとこうだろう」といった想像だけで構成されたマップは、実態とズレが生じやすくなります。
Web解析、ユーザーインタビュー、アンケート結果、購買データなど、客観的な数値やデータを元に組み立てることで、精度が高まり説得力のある内容になります。
感覚的な仮説ではなく、エビデンスに基づいた分析が重要です。
ビジネスの目的と一貫性のあるマップを作る
カスタマージャーニーマップを作成する際は、ビジネスの目的と一貫性のある内容にすることが大切です。
マップはあくまで「目的を達成するための手段」です。
目的が「新規獲得の強化」であるなら、認知や初期接点に焦点を置いた設計が求められますし、「リピーターの育成」が目的なら購入後の体験が中心になります。
全体の施策やビジネス目標とズレがないよう、方向性の一貫性を持たせましょう。
定期的な見直し・最適化を行う
カスタマージャーニーマップは一度作って終わりではなく、定期的な見直しを通して内容の最適化を行いましょう。
市場環境や顧客ニーズは常に変化するため、一度作ったマップを放置せず、定期的に見直しやアップデートを行うことが大切です。
アクセス解析や問い合わせ内容の変化、キャンペーン結果などをもとに、情報を最新化し続けることで、常に現場で活用できるマップになります。
カスタマージャーニーマップを商品やサービスの改善に活用しよう
カスタマージャーニーマップは、顧客の視点から課題やニーズを明確にし、商品やサービスの改善につなげる有効な手法です。
ユーザーがどの段階でつまずき、何に不安や期待を抱いているのかを整理することで、適切な施策を打ちやすくなります。
また、社内での共有によって部門間の連携もスムーズになり、顧客満足度の向上や売上アップにもつながります。
カスタマージャーニーマップの定期的な見直しを行いつつ、実践的なマップを活用して、より良いユーザーエクスペリエンスの提供を目指しましょう。